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<公演のご案内>
チョン・ヨンドゥ 新作ダンス『季節が過ぎゆくように』
荒木優光 音響上演『横断の調べ : 福島の海岸へ釣りに行った男』『パブリックアドレス /Public Address』

松田正隆が企画する二つの公演のお知らせです。
立教大学の新座キャンパスにて、『HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会』など、マレビトの会の作品にも出演したチョン・ヨンドゥの新作ダンス公演が7月6日に、昨年『アンティゴネーへの旅の記録とその上演』にて上演された音響作品『横断の調べ』と本作品を演出した荒木優光による新作音響作品の上演が7月13日に、2週連続で開催されます。入場無料・予約不要です。ぜひお気軽にご来場ください。



チョン・ヨンドゥ 新作ダンス『季節が過ぎゆくように』 《窓 -the windows-》《空っぽの白い体》
日時:7/6[土] 18:00- (開場は30分前)
会場:立教大学新座キャンパス6号館ロフト1 アクセス地図 (google map)
(東武東上線「志木駅」南口よりバスで約6分、JR武蔵野線「新座駅」南口よりバスで約7分)
※入場無料 チラシ

時間が過ぎゆくように、身体もまた何処かへ流れてゆく。 時間が繰り返さないように、身体も繰り返さない。たとえ同じ動きであっても、かつて踊った身体と、今踊る身体は違う。今、私の身体とダンスは何処にあるのだろうか。流れゆく私の身体を見つめたい。

《窓 -the windows-》(映像+ダンス)
それぞれに異なる時間・空間を同居させる技術として[映像]を用いる。かつてそこにいた彼との交流、それがこの作品に於いて見出されるべき[ダンス]となるだろう。 新たなものは招き入れられ、また出てゆく。

《空っぽの白い体》-《Hollow, Pure White, the Body》(ソロダンス)
2006年初演。太田省吾氏のテキストが与える静謐な場所のイメージ。そこから受け取った問い。日々の中で、重要でないと思われるものは、忘れられてゆく。だが、記憶されていないものは、本当に重要ではないのだろうか。ダンスも同じように、無意識の内に逸する動きが多いものだ。過ぎていく動きをもう少し大切に扱いながら、身体の新しい記憶を為すことを試みたい。同時に身体が持っている、身体だけが可能なものを、身体で表現したい。全4部、ただし1部と3部のみ上演。

*
チョン・ヨンドゥのダンスは、いままでに見たどのダンスとも異なっている。美しい身振りは決して自己主張することがない。鍛えぬかれた身体でも、舞台に強い求心性をもって存在することがない。身振りは空間を開放し、時間を震わせるためのものだ。ひとつの身体、生命はすでに多数の関係であり、関係の流動なのだ。このダンスはどこからやってきたのか、どこへ行こうとするのか。このダンスはどんな思考なのか。興味が尽きない。 (宇野邦一)

*
チョン・ヨンドゥ JUNG YOUNG-DOO
俳優としての活動を経て、韓国芸術総合学院で舞踊を学ぶ。横浜ダンスコレクション2004で「横浜文化財団大賞」・「駐日フランス大使館特別賞」を受賞。観客の心に深く訴えかける数々のダンス作品を発表し、韓国を代表する気鋭のダンサー・振付家の1人として国際的な評価を獲得。マレビトの会『ディクテ』、『HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会』への出演や、自身の振付作品『風の合間で』が「踊りに行くぜ!! vol.9 SPECIAL」に招聘されるほか、京都国際ダンスワークショップフェスティバルに毎年講師として招聘されるなど日本でも多くの支持を集める。近年の作品に、移民労働者の痛みと希望を17人のダンサーと共に描いた『The Seventh Man』(2010 / LGアートセンター[韓国]プロデュース)など。Doo Dance Theater主宰。本年より、立教大学映像身体学科特任教授。


主催:立教大学現代心理学部映像身体学科
共催:立教大学現代心理学部

舞台監督:羽鳥嘉郎、照明:松尾元、音響:パク・ジェロク、映像:ササキユーイチ、企画:松田正隆


荒木優光 音響上演 『横断の調べ : 福島の海岸へ釣りに行った男』『パブリックアドレス /Public Address』
日時:7/13[土] 18:00-(開場は30分前)
(※上演後、荒木優光と松田正隆によるアフタートークを予定)
会場:立教大学新座キャンパス6号館ロフト1 アクセス地図 (google map)
(東武東上線「志木駅」南口よりバスで約6分、JR武蔵野線「新座駅」南口よりバスで約7分)
※入場無料 チラシ

『横断の調べ : 福島の海岸へ釣りに行った男』(2012・再演・約60min)
2012年にマレビトの会がフェスティバル/トーキョーで発表した『アンティゴネーへの旅の記録とその上演』にて上演した音響作品。震災後の福島を訪れた印象と、録音した風景音を手がかりにして作成した記録音楽。録音した状況・風景の音に、言葉による視覚イメージを重ねる事により「1つの音」が持ちうる側面を導き出し、個人の印象を通したもう1つの音の連なりとして提示した。初演時はにしすがも創造舎の校舎3階全体を使用したため観客がリスニングポイントを自由に決められる状態だったが、今回は劇場で聴く形態をとり上演する。

『パブリックアドレス /Public Address』(2013・新作・30min)
現実世界を録音、拡大させる音響拡声装置、放送設備をテーマとした作品。それには現実を電気的に変換・拡大させる行為がともなう。変貌した様、変貌したイメージをあらわにする事。と同時に徹底的に面白がる事。マイクとスピーカーのための音楽。拡声と再生の音楽。現実世界の仮象として新たにどのような音響の力を見いだす事ができるのか。

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私たちは音を聞いているとき、なにが見えているのか。もちろん、音は見えない。音源は見ることができるが、音は音源の見当がつかないときでも聞こえて来る。音に形はないが、じっくり、聞き入ると、音のイメージが浮かんでくるようにも思える。劇場で、音を聴き、音を見ること。そんなことを荒木優光は続けている。彼の作品では、音の像が現れるとき、なにかの再現がなされているようには思えない。あくまでも、そこに出現するのは様々な場所で録音され、編集された「音」そのものなのである。それゆえ、音楽に近いものを聞いている気持ちにもなるのだ。(松田正隆)

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荒木優光 MASAMITSU ARAKI
1981年生まれ。自身の楽曲制作と共に、聴覚体験としての音のあり方を見つめ直し、リスニング環境の演出も含めた音響作品制作を行う。過去に1つのドラマテキストから新たに音響を生成し、ラジオ放送のようにパーソナリティーの声が音を導いていく音響上演作品『@アッチ&コッチ~N市からの呼び声』、震災後の福島を訪れた印象と、録音した風景音を手がかりにして作成した記録音楽『福島の海岸へ釣りに行った男』、盲人が生活のための目印として聞いている音に焦点をあてた展示作品『煙にまかれたジュークボックス』がある。バンドNEW MANUKEメンバー。また、映像や舞台作品への音響・楽曲提供も行う。


主催:立教大学心理芸術人文学研究所(TEL 048-471-7251)
共催:立教大学現代心理学部 (TEL 048-471-7149)
※この公演は文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業研究プロジェクト「新しい映像環境をめぐる映像生態学研究の基盤形成」(平成23-27年)の一環として行われます。

舞台監督:羽鳥嘉郎、照明:松尾元、音響:齋藤学、企画:松田正隆